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敷地は鹿児島県の薩摩半島南西部に位置し、東シナ海に面する枕崎市の山間部にあります。家族は御主人が大手ゼネコンの社員の為、九州各県を転々とする生活であった。
そして今回、家族は御主人の実家である枕崎市内に待望の「終の棲家」である自宅を建てることとなった。
クライアントの御主人は大学生活の4年間、そして仕事でも沖縄の地で長く生活をしたこともあって、沖縄の香りや風を感じる建物を希望し、
遠方であるにもかかわらず我々に設計を依頼されたのであった。
枕崎市の気候は温暖であるが、夏から秋にかけては沖縄と同様台風の通過頻度が多い為、木造や鉄骨造ではないものを望まれた。 結果、建物は200坪弱の敷地を最大限生かし、中庭(ナー)をL字に囲むように鉄筋コンクリート構造の平屋建ての造りとした。
外観はコンクリート打ち放しの粗な表現とし、外部からは住宅内がうかがい知れないようコンクリートの塀と植栽によって二面の道路側と隣地からの視線を遮り、決して圧迫感、威圧感を与えないようなデザインにつとめた。
住宅内は、南面の道路から玄関へアプローチし、中庭に向かうLDKを中心として奥に和室、手前にはダイニング/キッチン/家事室/水周りと、奥様の動線をコンパクトな動きとなるようにまとめてある。玄関より西側には、子供室の二部屋と主寝室などのプライベートのエリアとした。
玄関の水盤横には沖縄の民家の屋根の上や玄関先にある守神の象徴である二匹のシーサーが鎮座し、和室は沖縄のイグサでつくられた琉球畳が敷かれ、
肌に触れるほどに心地いい感触と香りを伝えてくれている。床間の床には琉球石灰岩を本磨きした仕上げ、リビングと和室を仕切る障子は
沖縄では馴染みの植物からつくる月桃紙が張られている。
住宅内では沖縄のアーティストの作品が飾られ、御主人が飲むお酒は勿論、泡盛と地元の芋焼酎であると聞いている。
沖縄の文化や風土が育んだ素材やマテリアルを取り入れることで、建築から沖縄を感じながら、いつまでも家族が幸福な生活をつづけていくことを願っている。