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敷地は間口12m奥行き28m、前面道路から後方にかけて高低差10mの急斜面に迫り上がった土地の形状である。結果、建物は地形の起伏がある自然環境に呼応するように3m前後の雛壇状に各階のヴォリュームが据えられている。
外壁の両サイド外部に対してはほとんど閉ざされているが、中庭とテラスに接する東側と西側には大きく開き、西海岸のロケーションと中庭の緑、降り注ぐ光が最大限採り入れられている。
建物は前面道路に接する1階に、玄関とビルトインガレージ、シューズクローク、3階まで繋げたEVが設置された。更に斜面を活かして半地下状態のエリアに100本余収納可能なワインセラー室が配さている。 2階は、2室に仕切可能な子供部屋と浴槽から坪庭の緑越しに西側の景色が見渡せるサニタリースペースがある。
3階には、ダイニングリビング、対面キッチン、トイレ、家事室に加え、石灰岩に囲まれた中庭、西側に面したテラスもそれぞれ直接アクセスできる構成となっている。 最上階の4階はMBR、夫婦専用のサニタリースペースと中庭を見ながらブリッジ状の廊下で西海岸に面した大きなアクティビティーテラスと楕円で前面ガラス張りのカフェ空間へと繋がって行く。
住宅は余計なものを削ぎ落とし、ごく単純な材料のみが用いられている。古風な沖縄らしい情景を意識し、アダンや月桃、クロトンといった元々この地に自生した植物、一部の外壁や坪庭の床、玄関横に設置された水盤には琉球石灰岩など、極力県内素材を採用した。